職人散歩・山中の優れた職人さんを紹介するコーナーです
山中町は日本でも有数の木工芸の産地です。中でも、挽物に関しては日本一、世界一の技術を誇ります。
そんな山中の木工芸を支える職人さんを紹介します。山中塗りの唯一の人間国宝、川北良造さんを紹介します。
生い立ち、作品について
- 物心付いた時から木地職人である父の仕事を見て育ち、中学を卒業後、山中木工界から始めて作家としての道を開いた父浩一について轆轤技術を学びました。
- 地元の木工作家で人間国宝の氷見晃堂の指導も受け、晃堂の勧めで日本伝統工芸展に出品するようになります。その挽き物作品は初出品で初入選と注目を集めました。
- 山中に伝わる伝統的な挽き物技術を継承しながら、新しい技術と豊かな発想,独創性を盛り込んだ「用と美」を追求しました。
- 川北良造の作品は挽き物特有の柔らかであるけれど張りの在る曲線を持ち、全体のバランス、口縁部分の曲線、高台の高さや大きさのバランス等独特の美的感覚を表しています。
- 30年~40年もの間寝かせておいた木を使い、半永久的に狂いの無い作品を作ることを目指しています。挽いてからも狂わない木を見分ける目と、狂いを抑える挽き物技術を持ち、木の乾燥などのノウハウも一流です。
- 変形は好まず、いわゆる偶然に出来たようなラフな形は許さずに、轆轤技術の粋を凝らした緻密な技で作品を作りました。そのため一見目新しかったり変化のある形ではありません。しかしそこには川北良造の美意識があります。
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欅造方円盛器 (43.5×39.5×6.1cm) |
- 欅,黒柿,楓,桑などの材料を使って、盆,鉢,盛器,食籠など材料の特製を最大限に生かした木目の美しい、形のよさが目に付く作品です。
- 装飾方法はまず筋挽き。ごく控え目にポイントを絞って部分的に施されています。これによって、素材の持つ自然の美しさを生かし形の良さを見せることが出来ます。
- 縮れ線象嵌も優れた技術の一つです。金や銀の線を細かな山形に作り、木地に象嵌する装飾方法です。氷見晃堂が創始した技法と言われています。それを基に縮れ線の作り方などに独自の工夫を加えて制作しています。
- べっ甲や玉石なども積極的に併用していますが、素材を活かし引き立てる装飾となっています。
- 川北良造の作品は、全て木の持つ素材の良さを生かし、細部まで十分に考えられた形に気品があり、味わい深い落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
- 石川県立山中漆器産業技術センター所長として、又輪島漆芸技術研修所講師として、その優れた技術を次代に継承するために現在も活躍しています。
その他、日本工芸会参与,石川県美術文化協会副理事長,金沢美術工芸大学客員教授,加賀美術協会副理事長。
経歴
| 1934年(昭和9年) |
山中町に生まれる。 |
| 1960年(昭和35年) |
この年より石川県工芸指導所のデザイン研究試作品を父・浩一 の指導により制作する。 |
| 1962年(昭和37年) |
第9回日本伝統工芸展に初出品、初入選を果たす。 |
| 1964年(昭和39年) |
第11回日本伝統工芸展出品作品が文化財保護委員会の買い上げとなる。 |
| 1966年(昭和41年) |
伝統工芸展「漆と木展」で日本工芸会賞を受賞。 第13回日本伝統工芸展で日本工芸会賞を受賞。 翌年も同賞受賞。 |
| 1970年(昭和45年) |
日本万国博覧会に石川県代表として2尺8寸大盆を出品。 |
| 1974年(昭和49年) |
現代美展最高賞(技術賞)受賞。第21回日本伝統工芸展鑑査委員となる。(以後たびたび鑑査委員を務める。) |
| 1976年(昭和51年) |
日本工芸会理事。現代美展審査員(以後たびたび審査員を勤める。) |
| 1978年(昭和53年) |
第22回日本伝統工芸展出品作品が文化庁買い上げとなる。
石川テレビ賞受賞、三十二回北国文化賞受賞 |
| 1988年(昭和63年) |
重要無形文化財保持者選賞受賞。 |
| 1990年(平成2年) |
伊勢神宮遷宮 御神宮轆轤鏡製作拝令 |
| 1993年(平成5年) |
山中漆器轆轤技術保存会会長
兼六園欅杢目沈金食籠 石川県より皇太子殿下に献上 |
| 1994年(平成6年) |
重要無形文化財「木工芸」保持者(人間国宝)に認定される。 |
| 1995年(平成7年) |
白山比咩神社 神木 欅造食籠、伊勢神宮美術館 献納 |
| 1999年(平成11年) |
紫綬褒章 受章 |